母島の中心部は商店や飲食店のいずれも片手で数えられるくらいしかない。
さらに歩き民宿他の「なぎさ」でレンタバイクのことを聞くと、 民宿「つき」と実体は同じドルフィンで借りると良いが、 予め電話で確認した方が良いとのことなので、そこで電話をする。 普通の民宿の中なのに緑の公衆電話があり、不思議な気がする。
「つき」まで歩いてレンタ・バイクを借りる。 時間ではなく、今日の18:00頃まででガソリン込で3500円である。 ガソリンはリットルあたり239円もするといった関係や借りる側の手間などで、 父島での「マンタン返し」はしてないそうである。 18:00くらいまでというもは、 暗くなる夜中までは事故の恐れなどの理由で貸し出さないそうである。 他のレンタ・バイクまで同じ状況かどうかは不明である。
レンタ・バイクで北に向かう。母島は南北に伸びていて、北から南まで舗装 された道が1本通っている。これを北へ向かう。12%といった急な坂が続き、 原付での運転もだんだん辛くなって来る。
海岸は石や岩で、波も高かった。ここからの帰り際に、少し年配の夫婦とす れ違う。途中でも追い越して来たので、見覚えがあったが、ここまで歩いて 来た様である。レンタ・バイクで公称45分くらいはかかる距離である。帰り の船でも会い、実は「ときわ」に泊まっていたとのこと。
今度は南にずっと戻り、バイクで行けるところ(中ノ平)まで南下する。 引き返し、火力発電所、清掃工場、営農研修所の横を通りすぎる。
「どこ行っても人に会いませんね。」確かにその通りだし、泳ぐ場所もそんなに多くないのは確かである。
バイクを返して、前浜の前の休憩所でボーっとする。前浜の海の上をたまに 魚が跳ねるのが見える。
宿に戻ると宿の他のメンバーが
「小学校の先生が夕日を見に連れてってくれる。」と誘われて、さっさと一緒に行くことに決める。 同宿の3人と彼女たちが今日一緒に行動していた、 「ときわ」に宿泊している学生、小笠原丸の甲板後部の売店の人、 そして小学校の浜岡先生他3人の合計9人を2台の車に分乗して行く。
車に分乗して、サンセット・ラインに届いたところ、 夕日は丁度沈みそうなところであった。 水平線上に雲一つない状態で、みんな写真を撮る。 夕食後にグリーン・ぺぺを見に行くという話をしてから戻る。 缶ビール1本まで頂いてしまう。
夕食後うとうとしてしまっていたところで、 声をかけられグリーン・ぺぺを見に、 桑の木山方面に車で行く。 ありそうな目的地に着くと、既に「ママヤ」の一団が先に到着している。 通りから5m程離れたところに、ボーっと光っているのが見える。 下手に光を当てたりすると、先着隊の邪魔になるため別の所にないか探す。
非常に小さなグリーン・ぺぺと、 まだキノコの傘を伸ばしていないが菌糸がはびこった状態の枯木が見つかる。 この枯木はかすかに全体が光っている。 キノコの傘が伸びた状態では、キノコの部分だけが光っているのが不思議で ある。(ひょっとしたら、木が光ってるのはわからないだけかもしれない。)
想像以上に明るい光り方には驚く。 雨の多い頃では、そこいらじゅうに光るといったこともあるそうである。
戻った後、沖港の先まで同宿2名に、誘われるまま散歩につきあう。 風は相変わらず吹いていて、 防波堰のテトラ・ポットに10cmくらいのカニが多数いる。
前浜の海に向かって、打ち上げ花火を多数打ち込んでいる一団がいて、 海のことを考えて少し憂鬱となる。
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